ワンポールテントを自作してみた!(企画・設計編)

さて、ヘキサタープの自作に続き、いよいよワンポールテントを自作します!

最終的には、前回作成したタープと一緒にこんなイメージで、自分なりの機能を盛り込んだONLY ONEのテントにしたいんです!

ttp_2.jpg


では、まずは企画・設計から。

一番の悩みどころが、底面の形を幅と高さ。

各社の2~3人用ワンポールテントのサイズを比べてみました。

top_image.jpg
ドッペルギャンガー ワンポールテント

六角形で280cm、奥行き242cm、高さ170cm

高さと幅のバランスもいいんじゃない。


出典元:ドッペルギャンガー http://www.doppelganger-sports.jp/product/t3_12_44_62/


11151124_528585c1e3f1c.jpg
オガワキャンパル ピルツ7ST

六角形で幅330cm、奥行き286cm、高さ180cm

これも高さと幅のバランスがいいね。

サイズも大きすぎず、小さすぎず、ちょうどいいね。

二人ならゆったり使えそう。


出典元:オガワキャンパル http://www.ogawa-campal.co.jp/products/detail.php?product_id=47

2046_1.jpg
LOGOS ナバホTepee 300

六角形で幅300cm、奥行き280cm、高さ180cm

このくらいのサイズが限度だろうな。


出典元:ロゴス http://www.logos.ne.jp/products/info/2046

ne157.jpg
ノースイーグル ワンポールテントmini200

これも六角形で幅240cm、奥行き200cm、高さ190cm

1~2人用で一回り小さいサイズ。幅と高さのバランスが悪く、見た目がいまいち。


出典元:ノースイーグル http://www.northeagle.co.jp/ne157.html

campanda_main_s.jpg
tent Mark designs CAMPANDA「PANDA」

四角形で幅240cm、奥行き240cm、高さ150cm。

こいしゆうかさんが企画したキャンプ女子をターゲットにしたともてかわいいテントで、ひとまわり小さめ。
四角形なのでデッドスペースも少なく、その分サイズが小さくても済んでいるんですよね。


出典元:tent Mark designs http://www.tent-mark.com/campanda/

まずは底面の形から。

2~3人用は六角形が主流。これ以上大きくなると八角形が多くなりますね。

四角形は有効面積が大きくて使いやすいし、作りやすいのだけど、面白みがない。

八角形は、面が多くなるので、生地も多くなるし、縫製も大変。

私的には、五角形か六角形がいいな。

変形の五角形、六角形という選択肢もなし。

変形にした方が有効面積が広くなることも考えられるけど、製作作業が面倒になるからね。

正五角形、正六角形のいずれかで行きます!シルエットも美しいし。

次に幅と高さの検討

できるかぎりコンパクトにしたいので、幅は280cmが妥当か?

高さは、あまり高すぎるとデザイン上のバランスが悪くなるし、直立するほどの高さも必要ない。

立って中で作業することも少ないので、ちょっと屈めばいいくらいで。

高さは高くそびえる感じよりも、ペッたっと頂点から扇状に広がった感じがいいなあ。

160cmくらいにするか。低くなるとデッドスペースが多くなるのが欠点でもあるが。

最終的には、エクセルで図面を書いてみて決めます。

五角形にしてみたり六角形にしてみたり、幅は280cmから300cm、高さは160cmから170cmで色々なパターンで作図してみました。

tent1.jpg
図面上、コットが置けるスペースがあるか、コールマンのツーリングテントSTのインナーが置けるか、など検討しますよ。

ツーリングテントSTのインナーはサイズが大きすぎて、六角形・幅300cmでも中で使うのは無理。

持っているユニフレームのフォールディングコットは問題なく置けます。




IMG_1102_1.jpg
モデルを作って、バランスも検討しますよ。


あれこれ悩んだ挙句、張り方で変更可能な仕様にすることに。

オリジナル自作テントなので、独自性を出しますよ。

基本は六角形で幅280cm 高さ160cmに決定!

それからも機能面だったり、ベンチレーター、ポールの取り付け、ファスナーをどうするかなどいろいろ検討しましたよ。


IMG_1166_1.jpg
というわけで、今回の自作テントの基本機能設計は以下のとおり。



・設営の簡単なワンポール型のテント=正六角形で幅280cm、高さ160cm
・ソロ時に五角形としてコンパクトに利用できる。
・冬季、雨天での利用も想定し、スカートを出し入れ可能
高さを変更できる。(スカート分の高さ10cmUP可能)
・開放感ある半タープとしても利用できる。


これらの機能を盛り込んで作っていきます。

どうやって実現するか図面で考えますよ。

tent2.jpg


IMG_1248_1.jpg
(3)(4)の両端にファスナーを付け、メインの入り口とするとともに、2枚の幕を跳ね上げて、開放的な空間ができるようにします。



IMG_1262_1.jpg
(1)と(6)もファスナーで接続されており、この部分を離し、(1)のファスナーを(5)のファスナーに付けることにより、ソロ時用に五角形のテントにすることができるようにします。



IMG_1255_1.jpg
(6)のファスナーを外して、完全に(6)の幕を取り外すことも可能。

あわせて入り口部分を跳ね上げることで、半タープっぽい、より開放的な空間が生まれます。



IMG_1260_1.jpg
内側に折りたたんであるスカート部分を延ばすことで、テントの高さを10cm高くすることもできます。



幕自体を可変にすることで、いろんなバリエーションの張り方ができますよ。

さてと、本当に作れるんでしょうか。。。。

で、エクセルで設計図を画いていきますよ。

意外と面倒なのが計算なんですね。


六角すいを展開した平面図に落とさないといけないんですね。

展開図が上にすでに掲載しているものですが、六角すいの面は6つの二等辺三角形からできているわけで、テントを作るには、この二等辺三角形のサイズを求めないといけないんですね。

中学生レベルの数学ですね。

zu1.jpg
まず、底辺の正六角形は6つの正三角形からできているので、正三角形の高さ(a)が、六角形の中心から辺への長さになります。正三角形の1辺の長さを(b)=140cmとすると、


kei1.jpg

二等辺三角形の底辺から六角すいの中心までの長さ(a)は121.24cmとなります。



zu2.jpg
六角すいの高さは160cmとするので、六角すいを横から見た図にするとこうなります。

この直角三角形の斜辺(c)を求めれば、二等辺三角形の生地の高さが求められます。




「三平方の定理」により、

kei2.jpg

つまり、このテントの1面の二等辺三角形は

底辺が140cm、高さが200.75cm

となります。

斜辺も上記の式から求められるので、計算すると、212.6cmとなります。

ふう~って感じです。

数学の時間でした。。。



これを手計算でやるのもばかばかしいので、ネットで調べてみると、ありました!

CASIOが運営しているKEISANのサイト!

bnr_keisan.gif

値を入力すれば、計算機をたたかずとも、一瞬です。すばらすい!

まあ、ここまで精密にしなくても、どうせ縫製の段階で狂ってしまうんですけどね。。。数cm単位くらいで。。。

気持ちだけは、正確にやるつもりでチャレンジしますよ。


次は、材料(素材)を検討します。

LinkIcon材料検討編はこちら>>>