ワンポールテントを自作してみた!(製作編 その2)

さて、製作編その1に引き続き、その2ですよ。

残る工程は、以下のとおりです。


(5)ファスナーの取り付け
(6)本体パーツの結合、引き綱ループの取り付け
(7)頂点の補強パーツ、ポール用のベルト取り付け
(8)ペグダウン用ベルトの取り付け
(9)スカートへのハトメ取り付け、収納方法
(10)ロゴの取り付け
(11)シームシーラー塗り

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(5)ファスナーの取り付け

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注文したファスナーがようやく届きました。

止水ファスナーの「アクアガード」です。

長さ150cmが2本、210cmが3本のオーダーメイド品です。



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片面はコーティングされており、撥水性があります。

ファスナーから水が浸入しづらいものとなっていますが、完全防水ではありません。



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今回発注したのは「逆開」ファスナーです。

「逆開」は、2つファスナーが付いていて、上下どちらからでも開くことができます。

また、下まで下ろすとファスナーを切り離すことができます。

今回のテントはこれがミソなのです。



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ファスナーを取り付ける部分に、生地のツレ防止用としてアイテープをアイロンで付けてから、ファスナーを縫い付けることにしました。

生地の表面とファスナーの表面を合わせて、縫いますよ。



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縫い終わって、生地をひっくり返すとこうなります。



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ひっくり返したところを、もう一度ミシンをかけて。



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こんな具合になります。

これをひたすら繰り返して、5本のファスナーを縫い付けていきます。



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150cmのファスナーは、辺の途中までになるので、残りの部分は生地と生地を縫い合わせる縫い代を残しておきます。



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ファスナーを取り付けてみると、本体生地の長さが違う!!

なんだこの致命的なミスは???

長さを測ってみると、212cmのはずが220cm近くあるじゃないですか??

型紙を作って切ったのに。。。。型紙のサイズが違っていたのか。。。。

各本体生地が微妙にサイズが違っています。orz

多少伸びる生地なので、採寸時に生地の張り具合で2cmから5cmほどの差異ができてしまっていたんです。

大きな生地の採寸は難しいなあ。。。。



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長くなった部分をカットするしかないので、せっかく縫い付けたスカート部分をリッパー解いて。。。



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やり直しは、3枚。。。

りんも手伝ってくれました。

ひたすら地道な作業です。



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スカートを外して、本体生地の長い部分をカットして、再度縫い直しです。。。



今回利用したファスナーの「アクアガード」は、両面スライダーが規格上ないのですが、テントで両面スライダーが無いと、内側からファスナーが開けられないという致命的な不便さになってしまいます。

そこで、試しに自分でパーツを購入して、変更してみます。

本来であれば、ファスナーを取り付ける前に作業をしたほうが良いのですが、部品の到着が前後してしまったためあとの工程に回しました。

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で、用意したのが、YKKのコイルファスナー用の両面スライダー5号と上止め金具5号用です。

この両面スライダーを購入するのにも苦労しました。裁縫用に良く用いられる3号のパーツ類は手に入れやすいのですが、5号以上になるとなかなか一般向けに販売されていないんですよね。



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スライダーを入れ替えるためには、まず、上止めのパーツを外す必要があります。



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アクアガードの上止めはプラスチックでできているので、ペンチで引っ張れば簡単に抜けます。



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既存のスライダーを外して、代わりに両面スライダーを入れます。

問題なくスムーズに動きます。



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外したプラスチックの上留めは、ゆるくなってすぐに抜けてしまうので、購入した金属性の上止め金具を代わりに取り付けて完了です。



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ところが、下のパーツが引っかかって、スライダーを抜くことができません。

これができないと「逆開」にならなくて、本体生地を切り離すことができなくなります。

やっぱり専用のものでないとだめですね。

最終的には、出入り口にする部分のみスライダーを両面スライダーに入れ替え、切り離しが必要な部分は、既存のスライダーを生かすことにしました。



(6)本体パーツの結合・引き綱ループの取り付け

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ファスナー以外の接合部分を縫い合わせていきます。



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スカートと同じように、2枚の生地を織り込んで縫いますよ。



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生地の縫うのとあわせて、張り綱用のループを取り付けます。

ループは、アクセントとしてステッチの入ったグログランテープにガイラインアジャスターを付けます。



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生地の縫い合わせ部分に、グログランテープを差し込んで、一緒に縫います。



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補強用にダイニーマXグリッドの生地を使用し、縫いつけます。



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ファスナーが付いている部分は、片側にループを縫い付けますよ。



IMG_1635_1.jpg本体生地を巻き上げて、留めるパーツもあわせて、取り付けます。

テントの巻上げ部分に付いている楕円状の部品です。

調べてみると、この部品は「ダッフルボタン」というらしい。確かにダッフルコートとかにボタンとして使われていますよね。

サイズや形、材質も色んなものがありますね。

購入したものを使用しても良かったのですが、簡単に作れるので、作ってしまおうということに。



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材料は、ダイソーに売っている竹製まな板108円ですよ。



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まな板を適当なサイズにカットします。



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ディスクサンダーを使って、一気に削ります。

こんな感じになります。



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ドリルで穴を2つ開けて、



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クリアニスを塗って、つやを出します。

スタンドは、材木の切れ端と楊枝で即効作りました。



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これに、グログランリボンの4mm幅のものを通します。

張り綱用のループのリボンとデザインを合わせました。



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このパーツのもう片方のループには、ゴムテープを利用します。



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引き綱用のループを取り付けた部分に巻き上げ用のパーツを取り付けるのですが、すでに引き綱用ループを取り付けた後だったので、一部を解いて、巻き上げ用パーツを差し込みます。

裏面にはゴムテープを縫い付けます。

しつけ糸で仮止めして、引き綱用ループと巻き上げ用パーツとゴムテープを一緒にミシンで縫います。



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こんな感じになります。

本来であれば、巻き上げ用のパーツは、裏面に付けることが多いのでしょうが、あえて表面に取り付けて、デザインのアクセントとして見せることを意識しました。



(7)頂点の補強パーツ、ポール用のベルト取り付け

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次に、頂点部分の補強パーツを取り付けます。

このテントは本体生地をファスナーで取り外せるようにするので、頂点部分をすべて縫い合わせるわけにはいきません。



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ダイニーマXグリッドストップ生地を円に切り抜いた形に2枚作ります。

これを表面と裏面に縫い付けます。

6枚目の生地は分離可能とするので縫い付けません。



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パーツの端の部分の表面、裏面に、マジックテープを縫いつけます。

本体生地にも、マジックテープを縫い付けます。

本体生地を補強パーツで挟んで、マジックテープで止めるイメージです。



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これで、6枚目の本体生地を縫いあわせなくても、くるんでマジックテープで止めることで、頂点部分の補強パーツの形状を保てます。

縫い目はあまりにも汚いので、お見せするのは恥ずかしいのでが。。。糸を黒にすればよかったと後悔。。。



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ポール用のベルトの作成です。

ポリプロピレンベルト20mmを六角形の対角線状にし、中心点をハトメで留めます。




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これも6枚目の本体生地を切り離せるようにするために、ベルト部分にマジックテープを取り付けます。



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6枚目以外の部分は、本体生地に縫い付けます。



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ポールの先端部分が突き抜けないように、これを使います。

チビの宝物のスーパーボール!

山のようにあります。



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ひとつ拝借して。



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これをポールの先端にぐりぐりと差し込みます。

レーダードームみたい。



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これで、補強パーツ部分を閉じると、先端が保護されます。



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テントを吊るして設営したり、タープを接続するためのループを頂点部分に取り付けます。

頂点部分が完成です。


(8)ペグダウン用ベルトの取り付け

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いよいよ完成まじかになってきました。

ペグダウン用のベルトに使用するのは、アウトドア向けのゴムロープ4mmと、



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ポリエステルベルトとバックルです。



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こんなふうになります。

これを本体生地に縫い付けます。



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補強にダイニーマXグリッドストップの生地を縫い付けてから、ベルトを縫い付けます。

ペグダウンするのは、ゴムロープの方になります。

バックルは、設営するときのための、補助ベルトを繋げるのに使用します。



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次に設営用の補助ベルトを作ります。

ワンポールテントは、設営するときに六角形の各頂点の位置を決めて、ペグダウンをしないといけないので、簡単に設営するためのベルトです。

材料は、余っていたアクリル製のベルト。



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図面に沿って、正確に六角形の頂点方向へベルトをあわせて、中心にハトメを打ちます。

色がばらばらですが、カラフルでまあいいかぁ。



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六角形を保てるように、ポリプロピレンベルトを六角形にして縫い付けます。



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ペグを打ち込むべき、中心から1m40cmの部分に目印として縫い目をつけて完成!


(9)スカートへのハトメ取り付け、収納方法

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各スカートの両端にハトメを取り付けます。




スカートを内側に折りたたんでの収納を可能にするために、どうするか?

いろいろ悩みました。

案1)ダッフルボタンを付け、ハトメの穴にダッフルボタンを通して留める
案2)マジックテープで留める
案3)スナップボタンで留める

案1は、スカートが垂れてみっともなくなりそう、案2はマジックテープが土で汚れると留められなくなるため却下、案3のスナップボタンで留めるのが最適ということに。

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今回使用するのは、「リングスナップ」です。

糸を使用せずに、リングでスナップボタンを取り付けることができます。



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スカートと本体生地の両方にスナップを取り付けます。

これでスナップの着脱で、スカートを内側に収納することができます。


(10)ロゴの取り付け

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ロゴの取り付けは、製作編(その1)で完了済み!


(11)シームシーラー塗り

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最後に、縫い目にシームシーラーを塗って完成ですが、これはお天気のいい日に張ってから塗ります。


ということで、ついに完成です!!

いや~長い道のりだった。。。。

ミスや試行錯誤の連続でした。



さてといったいいくらかかったのでしょうか???

購入した材料費のレシートを全部合計してみると。。。。

なんと、有名メーカーのワンポールテントが買えてしまうほどのお値段。Σ( ̄ロ ̄lll)



次はいよいよ試し張りです。

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